どんな人も楽しく下川で暮らせたら。「山びこ学園」支援員 森笠明子さん
下川でのリアルな暮らしぶりを町内の方にお話ししていただくコーナー。今月は、30年以上「山びこ学園」で働く下川町出身の支援員・森笠明子さんです。
障害者支援施設「山びこ学園」で支援員をしています。働き始めたのは平成2年だから、もう30年以上ですね。令和6年には2年間園長を務めました。現在はその引き継ぎ作業や事務作業、他の施設の方とのやりとりなどが主な仕事です。

生まれ育ったのは下川町で、「山びこ学園」の定員数を増やすタイミングで働かないかと声をかけてもらい就職しました。障害を持つ人たちとの仕事の経験や知識はなかったけれど、初めから抵抗はなかったんです。
養護教諭になりたいと思って通っていた学校で実習があり、出会った小学生の男の子がいました。その子は障がいがあり、私が実習していた1ヶ月間、ずっと保健室に通っていましたが、一緒にいると障がいがあるかどうかは全く関係ないのだなと感じました。
だから、新しい仕事や職場環境に慣れるのに必死でしたが、根拠はないけれど大丈夫だという気持ちがあって辛くてやめたいと思うことはなかったですね。
「山びこ学園」で働き始めた頃、初代園長に「この仕事は根比べ」と教わりました。利用者さんはゆっくり成長し、変化していきます。自分らしく過ごす利用者さんと向き合う中で、そのまっすぐな生き様に感動し、羨ましいと思うことも多いです。支援員とは言いつつ、こちらが支えられて30年過ごしてきました。

ただ、新型コロナウイルスが蔓延した時期は大変でしたね。ウイルスが流行し始めた当初は感染しないように職員も利用者も隔離しなければなりませんでした。しばらく施設に閉じこもり、気持ちも落ち込んでしまいました。
だからコロナが終わったら当時できなかったことを思い切りやりたいという気持ちも強かった。制限が少しずつ解除され、職員も施設の外に目が向いて、地域の方々とのコラボレーションが増えていったのだと思います。
2021年から戸田建設株式会社さんが「山びこ学園」がある一の橋地区でいちごの栽培を始めたのですが、「山びこ学園」の利用者さんの仕事になればと声をかけてくださいました。その後、相談しながら少しずつ仕事が増えていき、今では毎日3人の利用者さんが働いています。
それから一の橋のバイオビレッジにあるカフェスペースを使って「ちいきしょっぷ」というお店も始まりました。一の橋の事業者さんはもちろん下川町内の特産品などを販売していて、目玉はいちごの詰め放題です(季節限定)。ここでも、山びこ学園の利用者さんが仕事をしています。

最近は施設全体の高齢化が進み、身体が思うように動かない方もいます。自分には何もできないと落ち込んで、施設に閉じこもってしまうのは私も悲しい。だから、どんどん地域に出て行ける場を作りたいと思っています。それに施設外の方から「何か一緒にやらないか」と声をかけてもらえるのはとてもありがたいですね。
9月5日には「山びこまつり」があります。利用者にとって自己実現や他の人との関わりの中で楽しさを実感できる大切な機会です。
地域の方々には施設について、そして利用者の人々がサポートを受けるだけの存在ではなく、地域で活躍できる力と周囲へ優しさと豊かな心を広げる力があることを、少しでも知ってもらえたらという思いで毎年開催しています。

ステージ発表として、名寄市のよさこいチームや吹奏楽、子どもたちのダンスも披露してもらう予定です。会場の中庭には飲食ブースもあって、毎年来てくれるお客さんもいます。
今後もより一層「山びこ学園」の人たちが地域の人と一緒に過ごしたり、協力したりする環境を定着させていきたいですね。私たちが地域に出て行くことはもちろん、地域の方が「山びこ学園」に来たり関わろうとしてくれたりする機会が増えたら。そして、地域の人と楽しく過ごせたらいいなと思っています。
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